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米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年7月3日発表分)

2025年7月3日(木)、日本時間21時30分に米国で6月雇用統計が発表されます。今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント
労働市場の底堅さ確認できるか

ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 石川 久美子

2025年6月17日から6月18日に開催された米国連邦公開市場委員会(FOMC)において、金融政策は市場予想通り据え置かれました。声明では、インフレが高止まりしていることを指摘しつつも、「最近の指標は経済活動が引続き堅調なペースで拡大していることを示している」「失業率は低水準を維持し、労働市場の状況は引続き堅調」などと労働市場の底堅さを指摘しつつ、米国の金融政策を決定している連邦準備理事会(FRB)は「次の利下げ」を「待つことができる」としています。

足元では米国の発表した相互関税などに端を発し、多くの国が米国と交渉中であり、最終的に関税率がどこに落ち着くか非常に不透明な状況です。そうした中で、FOMCは経済見通しを発表しつつも、「経済の見通しを巡る不確実性は依然として高水準」として先行きの金融政策について踏み込んだ示唆はしていませんが、それでも「労働市場が堅調でインフレ率も低下している限り、金利を据え置くのが正しい選択」という見方は維持しており、依然として労働市場の状況は米国の金融政策にとって非常に重要であるといえます。

前回、5月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比13.9万人増と市場予想(13.0万人)をやや上回り、平均時給も前年比+3.9%と市場予想(+3.7%)以上の伸びを見せました。先行指標であるADP全国雇用統計が弱い結果だった反動もあり、この日のドルは大きく上昇しました。今回も先行指標とそれを受けた市場の反応も併せつつ、当日の指標結果を見る必要があるでしょう。ポイントは、強い結果の場合は「利下げ時期が大きく遠のく程強いのかどうか」、弱い結果の場合は「早期の利下げが強く期待される程の結果かどうか」になります。

プロフィール
石川 久美子(いしかわ くみこ)

プロフィール
石川 久美子(いしかわ くみこ)

商品先物専門紙での貴金属および外国為替担当の編集記者を経て、2009年4月に外為どっとコムに入社し、外為どっとコム総合研究所の立ち上げに参画。同年6月から同社研究員として、外国為替相場について調査・分析を行う。2016年11月より現職。外国為替市場に関するレポート執筆の他、テレビ東京「Newsモーニングサテライト」など多数のメディアに出演し、金融市場の解説を行う。資源国・新興国通貨に強い。著書に『円安はいつまで続くのか 為替で世界を読む(2025年マイナビ新書)』がある。Xでの情報発信(@KumiIshikawa_FX)も行っている。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化
発表年月 予想値 実績値 修正値
2025年7月 +12.0万人
2025年6月 +13.0万人 +13.9万人
2025年5月 +13.0万人 +17.7万人 +14.7万人

失業率
発表年月 予想値 実績値 修正値
2025年7月 4.3%
2025年6月 4.2% 4.2%
2025年5月 4.2% 4.2% 4.2%

出所:時事通信社(2025年6月27日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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