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米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年6月6日発表分)

2025年6月6日(金)、日本時間21:30に米国で5月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント
ドルの方向性を左右する5月の米雇用統計

ソニーフィナンシャルグループ チーフアナリスト 尾河 眞樹

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は5月7日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、「仮にFRBの2つの責務(「物価の安定」と「雇用の最大化」)の間で緊張が生じた場合は、『複雑かつ困難』な判断が必要になる。仮にそうした状況が生じた場合は、目標からの距離とギャップを埋めるまでの時間を考慮する」と述べました。
インフレと景気悪化が同時進行する、いわゆる「スタグフレーション」懸念が燻るなかで、FRBは政策判断を急がず、しばらく様子を見ると思われます。したがって、FRBが6月にも利下げを決定するとの見方は、すでに大きく後退し、現在市場予想では、次回利下げの中央値が今年の9月となっています
インフレの加速か、雇用の悪化か、あるいはその両方なのか。それを見極めるためにも、6月6日に公表される5月の米雇用統計には注目が集まりそうです。

トランプ政権は徐々に関税政策を緩和するかに見えました。しかし、5月23日、トランプ大統領が6月1日から欧州(EU)からの輸入品に対して50%の関税を賦課すると述べるなど、必ずしも緩和する方向とは限らないことがわかり、市場のセンチメントは再び悪化。米国債やドルへの信認が低下し、ドル安が進みました。
このように、政策の不確実性が高い環境が続けば、企業の景況感が悪化し、今のところトランプ政策による影響は軽微にとどまっている米労働市場も変調をきたす可能性があるでしょう
5月の米雇用統計では、仮に非農業部門雇用者数の伸びが前回4月の17.7万人から大きく減速したり、失業率が4.2%から悪化していれば、米国経済への不安が広がるなか、ドルがもう一段下落するとみています。

プロフィール
尾河 眞樹(おがわ まき)

プロフィール
尾河 眞樹(おがわ まき)

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン・チェース銀行などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析を担当。2016年8月より当社執行役員。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。主な著書に『為替ってこんなに面白い!(2024年幻冬舎新書)』、『〈最新版〉本当にわかる為替相場(2023年日本実業出版社)』などがある。ソニー銀行株式会社取締役、ウェルスナビ株式会社顧問。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化
発表年月 予想値 実績値 修正値
2025年6月 +13.0万人
2025年5月 +13.0万人 +17.7万人
2025年4月 +13.5万人 +22.8万人 +18.5万人

失業率
発表年月 予想値 実績値 修正値
2025年6月 4.2%
2025年5月 4.2% 4.2%
2025年4月 4.1% 4.2% 4.2%

出所:時事通信社(2025年5月30日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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過去の記事はこちら

米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年5月2日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年4月4日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年3月7日発表分)

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