
2025年8月1日(金)、日本時間21時30分に米国で7月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
今月の注目ポイント
「9月利下げ期待への影響を見極める」
ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 森本 淳太郎
米トランプ政権による相互関税が米国経済・世界経済に及ぼす影響が懸念される中、金融市場においては米連邦準備理事会(FRB)が9月の利下げに踏み切るかに注目が集まっています。今回の雇用統計は、利下げの是非を判断するうえで重要な指標の1つだといえます。
前回6月分の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比14.7万人増と予想を上回り、先行して発表されていたADP雇用統計が弱い結果だったこともあり、米雇用の底堅さを印象付ける結果となりました。失業率も、上昇するとの予想に反し、むしろ4.1%まで低下するなど、総じて強い結果だったといえます。
その他の雇用関連指標に目を向けると、毎週発表される新規失業保険申請件数は、依然として低水準ではあるものの上昇傾向にあるほか、コンファレンスボードの調査によれば、「雇用が充足している」と答えた人から「不足している」と答えた人を引いた割合は、コロナ禍を除けば2017年以来の水準まで悪化しています。米雇用は「底堅いものの悪化傾向にある」のは確かといえそうです。
こうした中、今回の雇用統計に対するドル円相場の反応は、強ければドル買い、弱ければドル売りと、シンプルなものとなりそうです。ただ、9月17日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)前には8月雇用統計の発表も控えているため、予想と大きく乖離しない限りは、値幅は限られるとみています。
プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)
プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)
2009年にみずほ総合研究所(当時)入社以来、一貫してエコノミストとしてマクロ経済調査を担当。2011年~2013年は内閣府(経済財政分析担当)へ出向。官庁エコノミストとして『経済財政白書』、『月例経済報告』などを担当。2021年4月より現職。2025年から景気循環学会・理事。主な著書(すべて共著)は、『TPP-日台加盟の影響と展望』(国立台湾大学出版中心)、『激震 原油安経済』(日経BP)。日本経済・債券市場、中国などのアジア情勢が専門、セクターは不動産、観光、半導体等を分析。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2025年8月 | +10.0万人 | ||
2025年7月 | +11.4万人 | +14.7万人 | |
2025年6月 | +13.0万人 | +13.9万人 | +14.4万人 |
発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
2025年8月 | 4.2% | ||
2025年7月 | 4.3% | 4.1% | |
2025年6月 | 4.2% | 4.2% | 4.2% |
出所:時事通信社(2025年7月25日(金)時点)
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
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過去の記事はこちら
米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年7月3日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年6月6日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年5月2日発表分)