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米雇用統計・今月の注目ポイント(2026年3月6日発表分)

2026年3月6日(金)、日本時間22時30分に米国で2月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。

今月の注目ポイント
もう一段の米利下げ観測後退に要注意

ソニーフィナンシャルグループ チーフアナリスト 尾河 眞樹

トランプ米大統領は2026年1月30日(金)、米連邦準備理事会(FRB)の次期議長として、ケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名しました。最有力視されていた候補者のなかでも最もハト派色の弱いウォーシュ氏が指名されたことで、直後にはドルが上昇する場面もみられました。

また、2026年2月18日には、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が発表され、この内容が予想以上にタカ派的だったため、ドル円は再び上昇。議事要旨の全体的なトーンとしては、利下げが決定された12月は「雇用悪化への対応が必要な局面」であったことが強調されたのに対し、今回は「雇用の悪化リスクは後退し、インフレを警戒しつつ様子見する局面」へと変化しました。なかでも特に注目されたのは、「(数名の参加者は)物価上昇率が目標を上回り続ける場合には、政策金利の引き上げが適切になるかもしれない」と、今後の「利上げ」の可能性にも触れていた点です。また、参加者の大多数が、「雇用の下方リスクが足元で後退した一方、インフレが持続化するリスクは引続き残る」と評価しました。

これらを受けて米利下げ観測はじわり後退しています。米国では、今年から本格化する大型減税・歳出法やトランプ減税の税還付が低所得層の可処分所得を押し上げることが期待されており、インフレは比較的高止まりする公算です。したがって、当社は引続き、今年6月の利下げをもって、3.375%までで利下げは打ち止めとみていますが、市場では依然年末までに3.0%付近への利下げが期待されている状況です。こうしたなか、仮に1月に続き2月の米雇用統計も市場予想より強い結果となった場合には、市場の利下げ期待の後退とともに、ドルがもう一段上昇する可能性が高いため、注目したいところです。

プロフィール
尾河 眞樹(おがわ まき)

プロフィール
尾河 眞樹(おがわ まき)

ファースト・シカゴ銀行、JPモルガン・チェース銀行などの為替ディーラーを経て、ソニー財務部にて為替リスクヘッジと市場調査に従事。その後シティバンク銀行(現SMBC信託銀行)で個人金融部門の投資調査企画部長として、金融市場の調査・分析を担当。2016年8月より当社執行役員。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、日経CNBCなどにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。主な著書に『為替ってこんなに面白い!(2024年幻冬舎新書)』、『〈最新版〉本当にわかる為替相場(2023年日本実業出版社)』などがある。ソニー銀行株式会社取締役、ウェルスナビ株式会社顧問。

米国雇用統計の主な指標の実績と予想

非農業部門雇用者数変化
発表年月 予想値 実績値 修正値
2026年3月 +6.0万人 発表前 発表前
2026年2月 +7.0万人 +13.0万人 発表前
2026年1月 +7.0万人 +5.0万人 +4.8万人

失業率
発表年月 予想値 実績値 修正値
2026年3月 4.4% 発表前 発表前
2026年2月 4.4% 4.3% 発表前
2026年1月 4.5% 4.4% 4.4%

出所:時事通信社(2026年2月27日(金)時点)

米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。

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書籍のご紹介

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過去の記事はこちら

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