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運用のプロに聞いてみた!トランプ政権になっても米国株式はやっぱり強い?今こそ米国の底力を再検証

こんにちは。ソニー銀行の勝俣です。

第二次トランプ政権の発足後、米国株式市場は度々値動きが大きくなる場面が見られました。そんな中、米国株式への投資について悩んでいるかたも多いのではないでしょうか?
そこで、米国資産運用のスペシャリスト、ジャナス・ヘンダーソンのブライアン・レヒトさんに、トランプ関税の影響と米国経済の成長の可能性、そして米国株式はこれからも魅力的な投資対象なのか?についてうかがいました。

ブライアン・レヒト氏
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズ
米国株式ポートフォリオ・マネージャー

1.どうなる?トランプ関税と米国経済への影響

勝俣:ニュースでは連日のようにトランプ大統領の関税政策が報道され、世界中の人々が振り回されているような感じがします。この状況をどのように見ていますか?

ブライアンさん:1月にトランプ政権が発足してから数カ月間は、バイデン政権の政策を180度転換するような政策のニュースを受けて人々が慌てふためき、株式や為替市場が乱高下するという展開が繰り返されました。トランプ政権は想定外の政策を発表したものの、その後、市場の反応を見ながら政策を調整しています。トランプ政権は各国と交渉しながら落とし所を探っており、一部の関税は恒久化する可能性があるものの、最終的には、交渉を通じてより低い税率に落ち着いていくのではないでしょうか。

勝俣:確かに、中国向け追加関税も4月に発表された145%から30%に大きく引下げられましたね。各国との交渉が進む可能性があるとはいえ、関税によって米国経済が悪化するリスクはないのでしょうか?

ブライアンさん:おっしゃるとおり、関税により米国が景気後退に陥るのではないかという意見もありますが、ジャナス・ヘンダーソンは関税による米国経済への悪影響はそれほど大きくないと見ています。米国経済の屋台骨を支えるのは、個人消費です。2024年時点では、米国の国内総生産(GDP)の約70%は個人消費で、残りの約30%が設備投資や政府支出、輸出入などです。個人消費の内訳は、食品やガソリン、医薬品などの非耐久財、自動車、家電、家具などの耐久財、そしてサービスですが、このうち、関税の影響が大きい耐久財の比率は、GDP全体のわずか7%に過ぎません。

サービス 47%
非耐久財 14%
耐久財 7%
個人消費以外 32%

出所:BEAのデータを基にジャナス・ヘンダーソン作成

勝俣:なるほど。米国経済の動向を考える上で重要なのは個人消費であり、関税が個人消費に大きく影響を及ぼす範囲は限られているということですね。

2.トランプ政権下でも強い米国株式市場は続くのか?

勝俣:ところで、米国株式市場は過去数年にわたり、他の地域を大きく上回るリターンを上げてきましたが、今後も米国一人勝ちの状況は続くでしょうか?

ブライアンさん:米国株式市場は世界最大の規模を誇り、S&P500指数の構成銘柄だけでも世界の株式市場の時価総額の半分以上を占めています。また、2024年の世界の収益上位100社の地域別比率は、米国単独で51%に上り、次いでアジアが約28%、欧州(含む英国)が約18%で、企業の収益力の点でも米国は他の地域を圧倒しています。米国企業は規模だけでなく、稼ぐ力でも世界をリードしていることから、米国株式市場に世界から資金が集まる状況は続くと見ています。

米国 50.8%
アジア 28.1%
欧州(含む英国) 17.9%
その他 3.2%

出所:Statistaのデータを基にジャナス・ヘンダーソン作成
2024
年の世界収益上位100社の収益合計(米ドルベース)における各地域の比率

勝俣:欧州と急成長しているアジア諸国の収益を合計しても米国一国に及ばないのは驚きです。このような米国の優位性が簡単に揺らぐとは考えにくいですね。

ブライアンさん:もちろん、トランプ政権の保護主義的な動きへの警戒や地政学上のリスク分散の観点から、投資家が資産の一部を米国外に移す可能性はあると思います。しかし、これほどの規模があり、収益力ある企業が集まっている株式市場は米国以外にないため、世界の投資家にとって米国株式市場への投資が非常に重要であることは変わらないでしょう。

3.マグニフィセント7「以外の」銘柄に要注目!

勝俣:ここ数年、世界のマネーが米国株式市場、その中でもマグニフィセント7に代表される大型ハイテク株に集中してきましたが、この傾向は今後も続くと思いますか?

ブライアンさん:確かに、この12年は人工知能(AI)関連の投資ブームに乗って、市場では大型ハイテク株ばかりが買われてきましたが、これから重視されるのは、AIを活用してビジネスを拡大できるかどうかです。今後はさまざまな業種で成長力の有無が問われ、ハイテク銘柄の間でも選別が進むと見ています。S&P500指数の構成銘柄のうち、マグニフィセント7とそれ以外の493銘柄の収益比較では、今後は両者の差が大幅に縮小すると予想されるので、幅広い業種や銘柄に注目しています。

年(2025年以降は予想) マグニフィセント7 それ以外
2023年 35% 5%
2024年 51% 15%
2025年 16% 11%
2026年 18% 15%

出所:ファクトセットのデータを基にジャナス・ヘンダーソン作成、202573日時点
マグニフィセント7: マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、アルファベット、メタ、テスラ、アップル
それ以外:S&P500指数の構成銘柄のうち、マグニフィセント7を除く493銘柄

4.ジャナス・セレクションは来年、日本上陸25周年

勝俣:ジャナス・ヘンダーソンが運用する「ジャナス・セレクション」について教えていただけますか?

ブライアンさん:米ドル建で投資できる外国籍投資信託「ジャナス・セレクション」にはさまざまな資産を投資対象とするラインアップがあり、私は主に米国大型株式に投資する「ジャナス・フォーティ・ファンド」を運用しています。先程ご説明したように、米国株式市場では幅広い業種で投資機会が生まれつつあります。「ジャナス・フォーティ・ファンド」では、そうした投資機会をいち早く発掘し、その時代に最も成長性が期待できる業種や銘柄に厳選投資しています。


ブライアンさん:日本では、2001年から「ジャナス・セレクション」をご提供しており、お陰様で来年、日本上陸25周年を迎えます(ソニー銀行は2016年より取扱を開始)。日本でこれほど長くご愛顧いただいている外国籍投資信託はあまりないのではないでしょうか?大切な資金を預けていただいている日本のお客さまのために、これからもしっかりと運用していきたいと考えています。

 勝俣:本日は大変ありがとうございました。

 ※インタビューの内容については将来の運用成果や経済状況を保証するものではありません。投資をする際には改めて目論見書などで投資に係るリスクなどをご確認ください。

5.終わりに

ソニー銀行ではジャナス・ヘンダーソンが運用する米ドルで投資できる投資信託「ジャナス・セレクション」をご用意しています。「ジャナス・セレクション」ではさまざまな米国およびグローバル資産に投資するファンドのラインアップを揃えており、「ジャナス・フォーティ・ファンド」は主に米国大型成長株式に投資しているファンドです。お手持ちの米ドルの活用法のひとつとして、ぜひご検討ください。

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