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金利はどこまで上がるのか?

足元の金利動向
10月に誕生した高市政権は、経済成長と国力の強化を目指して積極的な財政政策を進めています。一方マーケットでは、財政悪化とインフレ高進に対する懸念などを背景に、金利が上昇傾向にあります。

 長期金利に連動する円定期plus+ の金利(預入期間が最長10年のフラット型)も12月時点で1.95%となり、昨年同時期の1.15%から0.8ポイント上昇しました。

 1年以下の短期金利も上昇傾向ですが、長期金利ほどではありません。日銀が誘導する短期金利水準(無担保オーバーナイトコールレート)は1年前に比べて0.227%から0.727%へと0.5ポイント上昇しました。当行の冬ボーナス時期の期間6ヶ月、期間1年の円定期預金金利(当初)も、昨年に比べて0.30ポイント上昇しました。

 金利上昇といっても、通常はこのように短期金利と長期金利で上げ幅が異なるのです。

どの定期預金に預けるべきか
「今後さらに金利が上がるなら、長期固定の円定期plus+ より、中途解約できる短期の円定期預金への預入を繰返すほうが良いのでは?」と考えるかたも多いと思います。

一方で「短期金利の上げ幅は小さいし、日銀の追加利上げも政府の意向を受けて次第に難しくなるかも。それなら今の高めの金利で円定期plus+ に預けるほうが良いのでは?」という意見もあると思います。

 いずれにしても今後の長短金利動向が重要ですね。そこで今回は、短期金利と長期金利の見通しを分けてご紹介します。

短期金利の見通し

現在の状況
1年以下の短期金利は、日銀の政策金利に強く連動します。1219日の日銀金融政策決定会合では、政策金利水準を+0.25ポイント引上げて+0.75%となりました。今後についても「見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引続き政策金利を引上げ、金融緩和の度合いを調整していく」としています。では今後どこまで引上げることが見込まれているのでしょうか。

 今後の目標水準(ターミナルレート)
景気を過熱も停滞もしない金利水準のことを自然利子率と言いますが、日銀はこれを▲1.00%から+0.5%と推計しています(202412月時点)。この水準に中長期的な期待インフレ率を加えたものが中立金利と言われるものであり、日銀が中長期的に目指すべき政策金利水準となります。

一方で現在日銀はインフレ率が中長期的に2%で安定推移する(つまり期待インフレ率も2%で安定推移する)ことを目標としています。このため目指すべき政策金利水準(ターミナルレート)は、+1.00%~+2.50%ということになります。

 今後減少していく日本の人口動態などから、自然利子率水準は長期的に低下傾向にあることとされていますので、上下限の真ん中より少し下の+1.50%あたりが、今回の利上げの到達点ではないかと言われています。市場価格から推計されるターミナルレートの現在水準もこのあたりになっています。2022年あたりから引上がっているので、今後利上げが進むにつれさらに引上がりそうですが。

このため半年ごと0.25ポイントずつの利上げをしていくとすれば、2027年後半に利上げは一旦終了することになります。10月に開催された日銀金融政策決定会合で発表された「経済・物価情勢の展望」レポートでも、2027年後半には「物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移する」とされています。

 自然利子率や期待インフレ率が変わらなければ、この中立金利を中心に政策金利は変動することになりますので、中長期的な短期金利の期待水準と言えます。

リスク要因
しかしアベノミクス継承を掲げる高市政権は積極財政と金融緩和の両立を目指していると言われています。今後政府から何らかの圧力が働いた場合、利上げスピードは「半年に一度」という想定より遅くなる可能性が高いと思われます。

一方で実体経済と比較して利上げが遅れると、今度は円安・インフレが加速する恐れがあります。その場合中立水準まで急いで利上げをせざるを得なくなり、逆に短期の円定期預金金利は急激に上がっていくことになるかもしれません。

 また高市政権の政策が日本の潜在成長率の上昇をもたらし、それが自然利子率の上昇につながってターミナルレート水準が+1.50%より引上がる可能性もあります(自然利子率の推計には潜在成長率が密接に関わっているとされます)。日銀の推計によると、直近の潜在成長率は0.59%です。2019年あたりから緩やかに上昇しているので、引き続き上昇していくのであればターミナルレートも引上がります。ただその場合は投信や株価も上昇している可能性が高いので、預金だけでなく株や投信などのリスク資産での分散投資が重要になります。

短期金利の推移
今度は政策金利である無担保コール翌日物金利と6ヶ月物スワップ金利の推移を見てみましょう。水平レンジは先ほどの中立金利の推計範囲(1.00%~2.50%)です。1223日時点では無担保コール翌日物金利の0.727%に対して6ヶ月物スワップ金利は0.765%となっています。なお2001年~2006年、2013年~2024年までは、日銀の金融調節の対象が日銀当座預金やマネタリーベース、国債買入額などに変更されています。

長期金利の見通し

変動要因と現在の状況
長期金利は日銀が積極的にコントロールしていないため、国債発行・日銀買入オペ動向などの需給バランス、インフレ動向、潜在成長率、海外動向、株価など多岐にわたる要因で変動します。また通常は短期金利より大きく変動します。最近は特に積極財政による国債の大量発行や日銀による国債買入額の減額進捗、ターミナルレートに対する思惑に影響されることが多いと思われます。

短期金利から見た長期金利の居場所
短期金利と比べて長期金利の予測はかなり難しいのですが、ひとつの参考として短期と長期の金利差(イールドカーブ)の過去推移を確認しておくとイメージしやすいです。

政策金利と10年国債金利の差は1996年に2.80ポイント近辺まで拡大したものの、バブル後の景気長期低迷やデフレ長期化を受けて2019年には▲0.20ポイント近辺まで縮小しました。その後はインフレ高進や日銀の利上げを背景に1.35ポイント近辺まで広がっています。

 日銀の利上げが中立金利推計値の1.50%まで進んだ場合、ヒストリカル的には4.30%まで拡大する可能性があると言えそうですが、果たしてここまで上昇するでしょうか。そこに至る前に、長期金利高騰を嫌気した政府サイドの要請がでてくるかもしれません。つまりかつてのように国債の大規模買入を再開させることで、長期金利を無理やり低位にコントロールするのです。また上がり過ぎた長期金利を嫌気して株が暴落する恐れもあります。その場合は資産効果により景気後退に陥って、長短金利差がむしろ縮小していく可能性もあります。

 また今の政策金利と10年国債の金利の位置は、2007年中盤に0.5%から0.75%への利上げ観測が出ていた水準とほぼ同じところに位置しています。当時とは状況は全く異なるものの、ちょっと興味深い関係です。当時上昇基調にあった金利が反転低下した要因は、いわゆるサブプライム問題です。2007年夏にサブプライムローン関連商品の暴落(パリバショック)が発生し、その翌年のリーマンショックにつながるなど、世界は未曽有の経済危機に発展しました。この影響で金利は反転急低下して、その後の長期低迷期に入りました。今回はどうでしょうか。

長期金利の推移
10年物国債金利と15年物国債金利の推移を見てみましょう。12月23日時点ではそれぞれ2.051%、2.994%まで上昇しています。
特に15年金利のほうが、2006年から2008年にかけてつけた水準を超えて急騰しているように見えます。これまで制度対応のために30年超の国債を定期的に購入してきた国内生保が、制度対応完了でこれらの国債をこれまで通りには買わなくなってしまいました。このため需給バランスが崩れて、超長期金利はより上がりやすくなってきていることなどが主因です。10年以上の長期金利は政策金利の引上以上の上昇をしているのです。今後は財務省がこの年限の発行を控えること、割安感から海外機関投資家が購入してきていることなどから、需給バランスが改善することが期待されていますが、果たしてどうでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。長期間の予測というのはプロでもなかなか難しいものです。足元では金利が上昇傾向ですので、このままどんどん上がってしまうのではないかと感じるかたが多いです。しかしトランプリスクやウクライナ紛争、中国リスクなど、非常に不確実性の高い情勢です。金利が反転低下基調に戻ることもないとは言えません。

 このため満期まで解約する必要のない余裕資金の一部を、満期まで保有すれば元本保証で通常の円定期預金よりも高金利の円定期plus+ に預入れて、金利が下がった場合に備えるのも一案だと思います。当行の円定期plus+ は他行同種商品と比べても高い金利水準を提示しています(直近3ヶ月前からの実績値)。

 さらに20251225日(木)から2026114日(水)までは通常よりも高い特別金利でご提供しています。期間6ヶ月、期間1年という比較的短期の円定期預金と比較すると、1ポイント以上高い金利を享受できる円定期plus+ をぜひご検討ください。

 なお、円定期plus+ は当社判断により満期の早期繰上の可能性があることにご留意が必要です。フラット型でも今後金利が一定水準以下に低下してしまえば、早期償還されて当初の高金利を享受できなくなる可能性があります。ステップアップ型でも今後金利が約定金利水準以上に上昇してしまえば、他の預金商品よりも低い金利で預入継続となる可能性があります。

 円定期plus+ は原則中途解約ができず当初預入期間の長い商品です。当社がやむを得ない事情と認めて中途解約に応じる場合、損害金をご負担いただくこととなり、元本割れが生じるリスクがあります。ご検討いただく場合は余裕資金でのお申込をお願いします。

 本ブログに掲載したすべての画像の出所はBloombergです。

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