2026年1月9日(金)、日本時間22時30分に米国で12月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
今月の注目ポイント
「解釈が分かれる米雇用統計」
ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 森本 淳太郎
米国の政府閉鎖の影響で発表が見送られていた雇用統計ですが、これが解除されたことにより、先月16日には10月分と11月分が同時に発表されるという異例の事態となりました。非農業部門雇用者数は、10月分が前月比10.5万人減と、市場予想の2.5万人減を大幅に上回る減少幅となりましたが、こちらは政府職員のリストラによる影響が想定以上に大きかったためだと考えられます。11月分については、市場予想をやや上回ったものの、低調に推移しました。民間企業が発表するADP雇用統計と照らし合わせて見ても、米国の雇用が減速傾向にあることは明らかだといえます。
また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は先月10日の連邦公開市場委員会(FOMC)において、米国の雇用者数は4月以降、「月6万人過大評価されている」と述べました。米国の雇用統計は、後日大きく修正されることも多々あり、これが事実だとすれば、4月以降の雇用者数は月平均2万人ずつ減少しているということになります。弱い米雇用への懸念が、FRBの追加利下げへの思惑に繋がっています。
一方、失業率は4.6%まで上昇したものの、長期的に見れば依然として低位で、底堅いともいえます。毎週発表される新規失業保険申請件数も安定的に推移しており、米雇用が全面的に悪化しているわけではないことから、FRBも追加利下げには慎重な見方を示しています。
今後の利下げペースを占ううえで注目の12月雇用統計ですが、トランプ政権の移民政策や政府閉鎖の影響というノイズの影響で、結果の解釈は分かれる可能性があります。ヘッドラインに振らされ、ドル円相場が乱高下することも想定されるため、注意が必要です。
プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)
みずほフィナンシャルグループにて企画業務、法人営業などを経験した後、2019年8月より現職。外国為替市場の調査・分析業務、特にユーロやポンド、スイスフランなどの欧州通貨を専門に担当。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、TOKYO MX 「Stock Voice 東京マーケットワイド」、日経CNBC「朝エクスプレス」「GINZA CROSSING Talkマーケットニュース」などにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。2013年東京大学経済学部卒。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
| 発表年月 | 予想値 | 実績値 |
| 2026年1月 (対象期間12月) |
+5.2万人 | |
| 2025年12月 (対象期間11月) |
+5.1万人 | +6.4万人 |
2025年12月に同時発表された対象期間10月の実績値は-10.5万人。
| 発表年月 | 予想値 | 実績値 |
| 2026年1月 (対象期間12月) |
4.5% | |
| 2025年12月 (対象期間11月) |
4.5% | 4.6% |
米政府閉鎖の影響で、対象期間10月の実績値は公表なし。
出所:時事通信社(2025年12月26日(金)時点)
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢を見る十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
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米雇用統計・今月の注目ポイント(2025年10月3日発表分)


