2026年4月3日(金)、日本時間21時30分に米国で3月雇用統計が発表されます。
今後の為替動向を占う意味で注目度の高い米国雇用統計。今月の注目ポイントをお届けします。
今月の注目ポイント
「弱い結果でもドル売りは限定的?」
ソニーフィナンシャルグループ シニアアナリスト 森本 淳太郎
3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が9.2万人減少と、5.5万人増との市場予想に反し、前月から減少する結果となりました。また、失業率に関しても、横ばいとの予想に反し、4.4%に上昇するなど、総じて市場予想より弱い結果だったといえます。ただ、その要因としては、大きく増加した前月の反動や、看護師のストライキ、悪天候などの一時的なものもあり、失業率も歴史的に見れば低位で推移しています。その他の労働関連指標にも目を向けると、JOLTS求人件数や新規失業保険申請件数は労働市場の急激な悪化を示唆するような内容とはなっていません。
4月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月からプラスに転じるか、失業率が横ばいで推移するかに注目が集まります。市場予想より強い結果となった場合、すでに後退しつつある年内利下げの可能性が、一段と後退し、ドル高が進行する可能性があります。
一方、弱い結果になった際に、利下げ期待が大きく上昇する可能性は、よほど結果が悪くない限りは低いとみられます。米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始して以降、原油をはじめとするエネルギー価格は急騰しており、インフレ再燃のリスクは高まっています。こうした中、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は3月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、「原油価格の大幅な上昇を反映して、短期的なインフレ期待の指標が上昇している」と述べ、状況を注視する方針を示しました。今回の雇用統計が弱い結果となった場合にも、利下げ期待は急激に高まりにくく、ドルも底堅い値動きとなることが予想されます。
プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)

プロフィール
森本 淳太郎(もりもと じゅんたろう)
みずほフィナンシャルグループにて企画業務、法人営業などを経験した後、2019年8月より現職。外国為替市場の調査・分析業務、特にユーロやポンド、スイスフランなどの欧州通貨を専門に担当。テレビ東京「Newsモーニングサテライト」、TOKYO MX 「Stock Voice 東京マーケットワイド」、日経CNBC「朝エクスプレス」「GINZA CROSSING Talkマーケットニュース」などにレギュラー出演し、金融市場の解説を行っている。2013年東京大学経済学部卒。
米国雇用統計の主な指標の実績と予想
| 発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
| 2026年4月 | +5.2万人 | 発表前 | 発表前 |
| 2026年3月 | +5.5万人 | -9.2万人 | 発表前 |
| 2026年2月 | +7.0万人 | +13.0万人 | +12.6万人 |
| 発表年月 | 予想値 | 実績値 | 修正値 |
| 2026年4月 | 4.4% | 発表前 | 発表前 |
| 2026年3月 | 4.3% | 4.4% | 発表前 |
| 2026年2月 | 4.4% | 4.3% | 4.3% |
出所:時事通信社(2026年3月26日(木)時点)
米国雇用統計とは
米国の労働省が毎月発表する経済統計のひとつです。非農業部門就業者数や失業率など労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれています。
雇用情勢の変化は個人所得や個人消費などに波及するため、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、為替市場や株式市場の材料となります。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。
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過去の記事
米雇用統計・今月の注目ポイント(2026年3月6日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2026年2月6日発表分)
米雇用統計・今月の注目ポイント(2026年1月9日発表分)


