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運用のプロに聞いてみた!テクノロジーがもたらす未来を信じ、FANG+で長期投資。「ツミレバ」という選択肢も

大和アセットマネジメント
金融法人第四部長
松葉 恭明さん

大和アセットマネジメント
調査部 シニア・ストラテジスト
ステファン・トゥドルさん

ここ数年、世界的に好調だった株式相場を支えてきたのが、米国のテクノロジー企業であるのはいうまでもありません。中でも「ビッグテック」と呼ばれる巨大企業は、近年のAIブームも追い風となって株価を大幅に上昇させてきました。

そんなビッグテックのみに集中投資できるファンドが、「iFreeNEXT FANG+インデックス」。好調なパフォーマンスを背景に純資産残高を急拡大させ、ソニー銀行でも売れ筋の一角を占めてきました。さらに2月には、同ファンドにレバレッジをかけた「iFreeレバレッジ FANG+」の取扱もスタート。そこで、両ファンドを設定・運用する大和アセットマネジメントの松葉恭明さんとステファン・トゥドルさんに、それぞれの強みや特徴、投資対象であるビッグテックと米国経済の見通しなどを伺いました。

米国テクノロジー企業の「勝ち組」だけに投資ができる

「iFreeNEXT FANG+インデックス」の純資産残高は昨年12月に一時、1兆円の大台を突破しました。その後は時価の変動の影響もあって1兆円を割り込んだものの、投資家の購入による資金流入は引続き順調なようですね。それにしても、なぜ、これほど多くの投資家に支持されてきたのでしょう。

松葉 まずは、「iFreeNEXT FANG+インデックス」が連動を目指す株価指数・NYSE FANG+指数(以下、FANG+)の、いわば「米国のテクノロジー企業の中でも勝ち組にのみ集中投資する」といったコンセプトが受け入れられてきた結果だと考えています。ただし、受け入れられるまでに時間がかかったのも確かで、設定からしばらくの間は残高も大きくは増えていなかったです。

飛躍のきっかけになったのは、2024年に新NISAが始まって個人投資家が一気に増えた時期に、SNSを中心に米国のFANG、つまりはFacebook(現Meta Platforms)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の4社をはじめとする「ビッグテック」がまだまだ儲かりそうだと話題になったことでした。ビッグテックに投資ができ、しかもNISAで購入できる投資信託があるということで、人気に火が付いた格好です。2023年10月には当時の「つみたてNISA」の対象商品になっていましたし、米国テクノロジー企業の株式マーケットの環境も後押しとなって2024年以降に残高が急速に拡大していきました。

設定来のパフォーマンスはプラス702%で(2026年1月末時点)、実に8倍以上になった計算ですから、まさに圧倒的です。もっとも、2018年のファンドの設定にあたっては、否定的な意見も多かったそうですね。

松葉 はい。当時は米国の株価指数といえばダウ平均株価で、S&P500でさえまだメジャーではなく、FANG+にいたってはほとんど誰も知らないくらいの時期でしたからね。しかも、2014年にいわゆる分散投資規制と呼ばれる規制が始まっていたため、「10銘柄のみへの投資はリスクが高すぎるのではないか」という声が社内から出ていたのです。

それが今や1兆円規模のファンドになったわけですから、当時の反対派にとってはあまり思い出したくない過去かもしれません(笑)。FANG+という指数について、もう少し詳しく教えていただけますか。

松葉 前述のFANGを含む巨大テクノロジー企業10銘柄に、10%ずつ均等に投資する指数がFANG+です。この10銘柄のうち、FANGの4社にApple、Microsoftを加えた6銘柄は原則として固定で、残りの4銘柄を株価や業績などに応じて3カ月に一度入れ替える仕組みになっています。

現在はNvidia、CrowdStrike、Broadcom、Palantir Technologiesの4社ですが、直近でも2025年12月にServiceNowからPalantir Technologiesへと銘柄の入れ替えがありました。いずれも米国を代表するテクノロジー企業であり、この10銘柄の時価総額を合わせると、米国株式市場の3割ほどを占めることになります。(2026年3月のリバランスでCrowdStrikeが除外され、Micron Technologyが追加されています。)

また、均等投資といっても時価が変動すればその割合も変化しますから、元の比率である各10%に戻すリバランスを3カ月に一度行います。この手法は「等ウエート投資」とも呼ばれていますが、それに対してTOPIXやS&P500をはじめとする多くの株価指数は「時価総額加重平均」と呼ばれる手法をとっています。要は指数に採用されている銘柄の時価総額の規模に応じて組入比率が決まるということです。

この2つの手法には、それぞれメリット、デメリットがありますが、等ウエート投資の場合は時価総額が大きい一部の銘柄に左右されないのがメリットといえるでしょう。時価総額加重平均では、値上がりによって株価が上昇した銘柄に多く投資することになり、もしその銘柄が市場から過大評価されているような場合には、いずれ株価が下落し、指数全体がその影響を強く受けてしまいます。

AI市場のポテンシャルと併せて、収益源の多様化にも注目

では、FANG+の構成銘柄である10社の株価の見通しについては、どのように考えていますか。直近の株価はやや軟調のようですが...。

トゥドル 短期と長期で見方を分けて考える必要があるでしょう。短期的に見ればおっしゃる通り、米国株全体がやや上昇しにくくなっているのは否めません。2022年末ごろから2026年の初頭ごろまではいわば「生成AI相場」で、今後の成長が期待できる「グロース株(成長株)」を中心に上昇が続いてきました。けれども、足元ではこれまであまり投資されてこなかった銘柄、特に業績や企業価値の割に株価が安い「バリュー株(割安株)」にシフトするというローテーションが起こっているのです。こうした調整局面は、あと数か月程度は続くかもしれません。

一方で、中長期的に考えると、ビッグテックの業績や財務状況などのファンダメンタルズが悪くなったわけではなく、むしろこれまでと同じく順調に推移しています。また、AI市場の拡大というのは長期的なテーマであり、FANG+の構成銘柄がAIと密接に関わっているのはいうまでもありません。ですから、中長期的に見れば成長の余地は十分にあると考えていいでしょう。

最近はAIバブル論なども耳にしますが、AIのポテンシャルはまだまだ大きいわけですね。

トゥドル この3年ほどでAI関連銘柄は大きく上昇してきましたから、割高感があるのも確かです。ただし、先行して上昇した株価に業績が追い付いてくれば、現在の過熱感も薄まっていくとみています。また、AIの進化には投資が欠かせず、そのための資金も必要になります。ですから、資金力のあるビッグテックが、恩恵を受けやすいのは間違いありません。

加えて、FANG+の構成銘柄は必ずしもAIだけに依存しているわけではなく、収益構造が多様である点も強みになっています。例えばGoogleは、検索エンジンによる広告収益が柱になっているものの、一方で半導体の設計なども行っています。

それは「TPU」と呼ばれる機械学習に特化した半導体チップの一種で、Nvidiaの半導体に対抗できるほど優れた性能を持っています。これまではGoogleのAIであるGeminiに用いられてきましたが、今後は外販していく可能性があり、実現すれば大きな収益源となるでしょう。Googleと同じくAlphabetの傘下にあるWaymo(ウェイモ)も自動運転の高い技術を確立していて、現在は米国の複数都市で自動運転のロボタクシー事業を展開しています。今後は海外展開も時間の問題だといわれているのです。

なるほど、この10社はAI市場拡大の恩恵を強く受ける一方で、必ずしもそれだけではない一面もあるわけですね。では、米国経済全体の見通しについてはどうでしょう。

トゥドル 今年は米国経済の成長が加速する見通しであり、マクロの観点から見ても、良好な環境が続くとみています。成長を支える要因としては、AI関連投資の拡大や拡張的な財政政策が挙げられます。さらに、緩和的な金融政策も継続する見込みですから、企業が資金調達を行いやすい環境にあります。不安材料があるとすれば、11月の中間選挙を控え、株価が大きく動きにくい側面があることでしょう。もっとも、選挙の情勢が落ち着いてきたら、再び上昇局面に戻る可能性は高いはずです。

ただ、足元では米軍、イスラエル軍によるイランへの攻撃を受けて中東情勢が深刻化するなど、地政学的リスクが高まっています。

トゥドル 確かに、当面のリスク要因として、中東情勢を注視する必要があります。ただ、FANG+に関していえば、かつては中国企業のバイドゥ、アリババなども構成銘柄に含まれていましたが、現在は米国企業だけを対象にしています。それは地政学的リスクを見据えた転換だと捉えることもできるでしょう。現在の10銘柄は、特にマーケット全体が大きく売られるような局面において、いずれも相対的に強い企業であるのは間違いありません。

値動きが激しいからこそ、効果を発揮するのが積立投資

ところで「iFreeNEXT FANG+インデックス」には、その派生ファンドともいえる「iFreeレバレッジ FANG+」もありますね。

松葉 はい。日々の基準価額の値動きがFANG+指数の値動きの2倍程度になることを目指すのが「iFreeレバレッジ FANG+」です。その仕組みはやや難しくなるので詳しい説明は省くものの、「値動きが2倍程度になるよう設計されている」という点をご理解いただければ十分でしょう。

レバレッジはもともと「てこ」の意味で、運用の世界では少ない資金をてこのように使い、大きなリターンの獲得を図る手法のことですね。ブル・ベア型ファンドがよく知られていますが、リスクが高いファンドの代名詞にもなっています。

松葉 「iFreeレバレッジ FANG+」も、リスクが高いファンドであるのは間違いありません。ただし、従来のブル・ベア型ファンドは激しい上げ下げを利用した短期売買のツールだといえるでしょうが、このファンドは長期の積立投資での活用を想定しています。当社ではこの「iFreeレバレッジ FANG+」をはじめとするレバレッジ型ファンドを用いた積立投資を「ツミレバ」と呼び、新たな投資の選択肢として提唱しているところです。

「ツミレバ」について、もう少し詳しく教えてください。

松葉 まず積立投資とは、資本主義である限り株価は短期的に上げ下げがあっても、長期的には右肩上がりに上昇していくということを前提にした投資法です。しかも積立投資では一直線に上昇するよりも、下げる局面があったほうが安く買えてより効果を発揮します。これがまさに投資の教科書に載っているドル・コスト平均法です。

その点、「iFreeレバレッジ FANG+」は上げ下げの幅が大きいうえ、テクノロジーが進展する限りFANGをはじめとするビッグテックも長期で成長していくというストーリーも、多くの人にとって信じやすいものではないでしょうか。だからこそ、長期・積立投資に適しているともいえるわけですね。

「iFreeNEXT FANG+インデックス」も集中投資である以上は相対的にリスクが高く、「iFreeレバレッジ FANG+」はそれ以上なわけですから、リスクを踏まえて使い分けるというイメージでしょうか。

松葉 そうですね。最近はS&P500やMSCI オール・カントリー・ワールド指数に連動するインデックスファンドで積立投資を実践している人が多いと思いますが、次のステップとして集中投資型である「iFreeNEXT FANG+インデックス」や「iFreeレバレッジ FANG+」を、併せてご活用いただくという選択肢もあるでしょう。

トゥドル 積立投資とともに、長期投資も重要なキーワードです。FANG+の構成銘柄は、新しい技術の登場などのニュースが多い企業でもありますから、積立を継続しながらそうしたニュースをフォローすることは、長期投資における楽しみの1つになるはずです。その意味では、「iFreeNEXT FANG+インデックス」と「iFreeレバレッジ FANG+」は、特にテクノロジーが好きな人、テクノロジーの進化を信じる人に適したファンドですね。

ここ数年で資産形成に対するイメージは大きく変化したものの、いまだに第一歩を踏み出せないという人も少なくないようです。最後に、そうした人たちに向けて、アドバイスをいただけますか。

トゥドル あくまで個人的な意見になりますが、現在のようなインフレの環境では、投資をしないこと自体がリスクになるのではないでしょうか。ただし、決して無理はせず、あとは繰り返しとなりますが、やはり長期投資を心掛けていただきたいと思います。

確かに、インフレ下では預金の価値が実質的に目減りしてしまいますからね。松葉さんはいかがでしょう。

松葉 私が新入社員などによく話すのは直接的な意味での「Time is money」、つまり投資の世界では時間はお金に転換できるということです。だからこそ、資産形成は一刻も早く始めるほうがいい。事実、資産形成を実践している人の中には、「もっと早く始めていれば......」と後悔している人が少なくありません。まずは少額でもいいから買ってみる。するとさまざまな情報が入ってきて、自ずと知識も身についていくはずです。しかも今は政府の後押しがあり、NISAを活用すれば利益に税金もかからないわけですからね。

時間を味方につけるためには、悩んでいないで少しでも早く始めるということですね。本日はありがとうございました。

(参考ファンド)
iFreeNEXT FANG+インデックス
iFreeレバレッジ FANG+

インタビュー・文:金融エディター・菊地 敏明

菊地敏明(きくち としあき)

インタビュー・文:金融エディター 菊地敏明

菊地敏明(きくち としあき)

金融エディター
1969年生まれ。1993年に学習院大学を卒業後、月刊総合誌、ビジネス書などの編集に携わる。2007年に株式会社想研入社。同社が発行する金融情報誌『Ma-Do』で資産運用ビジネスの情報を取扱い、銀行や証券会社、運用会社などの取材も数多く手がける。長らく同誌編集長を務め、2019年には執行役員に就任。現在は『Ma-Do』特任シニアエディターを務める傍ら、さまざまな金融コンテンツの作成に携わる。著書に『銀行ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

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